■あらすじ


■折原さとみの調査メモ

九十年前に起きたわざわいは、おびただしい[ほろぼしのばけもの]があらわれて、やしまのくにを壊滅させたものである。

しらやねのくにほとりまちも、一度やきほろぼされて、それから復興したようだ。

その[ほろぼしのばけもの]たちは、ながらくやしまの人々の暮らしをおびやかした。

いまのわたしたちの暮らしは、そのイニシ[ほむらのはら]から始まった社会。

[ほろぼしのばけもの]がいなくなったのだって、今からたった二十年前。

やしまのあちこちにある[おはかやま]は、そのわざわいで骨も焼き尽くされた人たちのお墓である。

[おはかやま]には顔のついた石がたくさんあるが、あれは、顔も名前も分からないけれど、彼らが生きたという証を残すために設けられたもの。

[こともちむら]は、[ほろぼしのばけもの]で身体を損ねた人たちが寄り集まってつくられた群れで、[おはかやま]をめぐって暮らしている。